Business プランに WORM 保存とタイムスタンプ証跡機能を追加

HStorage の Business プランに、WORM(Write Once Read Many)保存RFC3161 タイムスタンプ証跡機能を追加しました。

ファイルをアップロードすると、改ざん不可能な専用バケットへ自動的に保存され、RFC3161 準拠のタイムスタンプトークンが付与されます。タイムスタンプの検証結果と証明書チェーンをまとめた証跡 ZIP をダウンロードできるため、「このファイルがいつ存在していたか」を第三者に示せる形で保管できます。

目次

WORM 保存とは

WORM は「Write Once Read Many」の略で、一度書き込んだデータを上書き・削除できない保存方式です。金融・医療・法務など、記録の改ざんが許されない業種で長年使われてきた概念です。

HStorage の WORM 保存では、Business プランのユーザーがアップロードしたファイルを、S3 Object Lock(Governance モード、7 年保持)を有効にした専用バケットへ格納します。通常のバケットとは物理的に分離されているため、誤操作や不正アクセスによる削除・上書きを防ぎます。

バッチ処理による定期クリーンアップからも除外されるため、保持期間中はファイルが確実に残ります。

RFC3161 タイムスタンプ証跡とは

RFC3161 は、電子文書にタイムスタンプを付与するための国際標準規格です。HStorage では、ファイルのアップロード完了後にバックグラウンドワーカーが自動的に動作し、以下の処理を行います。

  1. ファイルの SHA-256 ハッシュを含む Manifest JSON を生成
  2. 外部の Timestamp Authority(TSA)サービスへ署名リクエストを送信
  3. 返却された DER 形式のタイムスタンプトークンをデータベースへ保存
  4. ステータスを issued に更新(その後は定期ワーカーが証跡を再検証し続けます)

TSA サービスは API 本体とは独立したマイクロサービス(timestamp-issuer)として動作します。秘密鍵を API サーバーに持たせない設計で、鍵の漏洩リスクを抑えています。

タイムスタンプ発行前には NTP サーバー(Cloudflare・Google)との時刻同期を確認し、オフセットが閾値を超えた場合は発行を停止します。時刻の正確性を保つ仕組みが組み込まれています。

WORM 保存とタイムスタンプ証跡のイメージ

証跡 ZIP のダウンロード

ファイルの共有ページから、証跡 ZIP をダウンロードできます。ZIP には以下が含まれます。

  • Manifest JSON: ファイルの SHA-256 ハッシュ・サイズ・Content-Type・アップロード日時・共有 ID を正規化した JSON
  • タイムスタンプトークン(DER 形式): TSA が署名したバイナリトークン
  • 証明書チェーン(PEM 形式): タイムスタンプの検証に必要な証明書
  • 検証結果と検証手順: openssl での検証コマンドを含む README

証跡 ZIP は、共有リンクを開ける方であればどなたでもダウンロードできます。 HStorage のアカウントは必要ありません。ファイルにパスワードを設定している場合は、そのパスワードが必要です。

detached なタイムスタンプ証跡の価値は「HStorage を信用せずに第三者が検証できる」ことにあります。そのため Manifest には利用者 ID や内部ストレージのパスといった識別子を含めず、受け取った側がそのまま検証できる形にしています。

openssl ts -verify -in token.tsr -data manifest.canonical.json -CAfile signer-chain.pem

なお Manifest の uploaded_at は HStorage が申告するアップロード日時であり、ファイル本体のバイト列と暗号学的に結合しているのは content_sha256 です。保持期間(WORM / Object Lock)も HStorage の運用ポリシーであり、暗号学的な強制ではありません。

サンプルファイル

WORM 保存されたファイルの表示例として、以下のサンプル URL を公開しています。

WORM 保存サンプルファイルを見る

実際の共有画面を開くことで、HStorage 上で保管されたファイルがどのように確認できるかを試せます。Business プランで証跡 ZIP を利用する場合も、同じようにファイル詳細から状態を確認していく流れになります。

WORM 証跡が発行済みになった共有画面

ステータス表示

ファイル一覧と共有ページで、タイムスタンプの処理状況をステータスとして確認できます。

ステータス 意味
pending タイムスタンプ発行待ち(アップロード直後)
issued タイムスタンプ発行済み
failed 発行に失敗

通常、アップロード完了から数秒〜数十秒でバックグラウンドワーカーが処理を完了し、issued に切り替わります。

「認定タイムスタンプ」との違い

HStorage のタイムスタンプは RFC3161 規格に準拠していますが、総務省が認定した「認定タイムスタンプ」ではありません。電子帳簿保存法のスキャナ保存要件における「認定タイムスタンプ」として利用する場合は、認定事業者のサービスを別途ご利用ください。

「ファイルが特定の時点に存在していたことを証明したい」「社内監査や取引先への証跡提示に使いたい」といった用途では、RFC3161 準拠のタイムスタンプで対応できます。

対象プランと利用方法

WORM 保存とタイムスタンプ証跡は Business プラン限定の機能です。

Business プランのユーザーは、通常のアップロード操作をするだけで自動的に WORM バケットへ保存され、タイムスタンプが付与されます。追加の設定は不要です。

証跡 ZIP のダウンロードは、ファイルの共有ページから行えます。タイムスタンプのステータスが issued になったファイルに対してダウンロードボタンが表示され、共有リンクを渡した相手もそのまま取得・検証できます。

Business プランで使える機能

Business プランに追加された機能は以下のとおりです。

  • WORM 保存: S3 Object Lock による改ざん・削除防止(7 年保持)
  • RFC3161 タイムスタンプ: ファイルの存在時刻を証明するトークンの自動付与
  • 証跡 ZIP ダウンロード: Manifest・タイムスタンプトークン・証明書チェーン・検証手順をまとめてダウンロード(共有リンクを持つ相手にもそのまま渡せます)
  • ステータス表示: ファイル一覧と共有ページでタイムスタンプの処理状況を確認

監査証跡の整備やコンプライアンス対応が必要な企業は、HStorage の Business プランをご確認ください。